『子どもの貧困ー日本の不公平を考える』

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これまで見えにくかった「貧困」を、データでを使って発見させてくれた本。

阿部彩『子どもの貧困-日本の不公平を考える』岩波新書


2006年のOECDのデータで、日本の相対的貧困率はアメリカに次いで世界第二位になった。
住むところや食べる物がない野宿者が貧困というのはわかるが、そこまでではないのに貧困ってどういうこと?

この本は、日本で貧困とはどういうことなのか、どこからが貧困なのか、
そしてある意味【どうして】貧困に陥るのか、までを明確にしてくれた!

阿部彩さんは貧困研究者として様々なデータや貧困研究を解説してくれている。
研究者の書いた文章ながら非常に分かりやすい。


本書で用いられている「相対的貧困」とは、先進国で用いられる基準で、
その社会で人としての尊厳をもって生きられない状況にあることをいう。

金額で言うと、日本では2人世帯で【手取り】180万円くらいが貧困ライン。
相対的貧困状態にある子どもは、2004年では約7人に1人だ。
貧困世帯に育つ子どもは、学力、健康、家庭環境、非行、虐待など様々な側面で
不利な立場にあることが既存のデータで証明されていく。

また、全世代の中でも、0-2才児を育てている親は、収入に対してこれから準備しなければいけないもの
(家だったり←といっても最近は買えない人のが多い)が多いので最も苦しい状況にある。

そして母子世帯の状況もひどい。
母子世帯の母は8割以上働いているにもかかわらず
平均年間所得は211万円程度で、7割近い世帯が貧困だ。

さらに著者の行なった調査では、貧困家庭に育った子どもは大人になっても貧困になる可能性が高い。

これだけでも衝撃的な事実だったが、
もっともショッキングなのは、どうして貧困に陥るのかだ。

子どもがいようが貧しかろうが、現役世代は社会保障費も税金もたくさん取られる。
児童手当てなどの給付を受けても、まだ取り戻せない。
その結果、貧困状態にある子どもはもっと貧困になり、
ギリギリ貧困でなかった子どもまで貧困になってしまう。
つまり社会保障制度が、人を貧困にしているのだ
こんな国はOECD18カ国中、日本だけだという。


うちはまさしく、0-2才児を育てている現役世代なので、この本は他人事ではなかった。
今は夫婦2人で頑張っているから何とかやれているけど、このご時世、
仕事は安定しているとはいえない。
もし片方に何か在ればチビは…。
2人目を考えるのが怖くなってしまう。

子どもがいる人もいない人も、いずれ子ども世代のお世話になる。全ての大人が読むべき本!

阿部彩さん自身、双子の母。

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