おくりびと

画像命は巡る…死に向き合う映画を観て、 また新しい命を授かりたくなりました。

おくりびと
監督 : 滝田洋二郎
脚本 : 小山薫堂
音楽 : 久石譲
出演 : 本木雅弘 、 広末涼子 、 余貴美子 、 吉行和子 、 笹野高史 、 山崎努


物語:楽団解散の浮き目にあったチェリストの大悟。故郷の山形に戻った彼は、ひょんなことから納棺師という仕事につく…

感想:4月に私の祖母とチビパパの祖父が相継いで亡くなり、二件のお弔いをしっかり見てきたばかりです。
「順番通り」の死は、哀しい別れではなく、ありがとうを確認する儀式なんですよね。
チビを連れで参列できたことも、とても嬉しかったです。

それもあって、この映画で描かれている、「旅立ちのお手伝い」という仕事の魅力にとっても共感できました。
順番通りでない死もあったけど、やっぱりそこでも送る言葉は「ありがとう」だと思います。

納棺師という職業については、初めて知りました。
思い出したのは、祖母の葬儀の時、湯かんを止めてもらったこと。
父が、遺族の前で遺体を裸にして洗うのは見ていられないよ…と、口癖のように言っていたのです。
今は納棺師という仕事があるんですね。
肌を見せないよう着替えをさせてくれるなんて、お別れする遺族に配慮した儀式ですね。
これならお願いしたいなあ。

…しかし月給50万円とは
チビパパは「俺にやらせろ~」ですって(笑)
確かにワーキングプアの若者なんて、それだけもらうなら喜んでするぞと言いそう。
私もやってみたいです。
というか、大切な人は自分の手できれいにしてお見送りしたいな


物語については、元チェリストという設定が絶妙です
この仕事はアーティスティックなセンスがある人にピッタリだと思います。
大悟はチェロを奏でるように、納棺の儀式を行なってましたね。
それに、お別れのシーンにチェロという楽器の音色はピッタリです。
きっと、この仕事を始めてから、大悟のチェロは深みが増したんじゃないかな。

でもこの夫婦は、なぜお互いのことをもっと話さないのかと気になりました。
世代が近いだけに、特に。
言葉が無くても伝わると信じていいのは亡くなった人とだけ。
言わなきゃ伝わらないに決まってるだろ(-_-#)

1800万のチェロを無断で買ったら、「バカじゃないの」の一言くらい
言われた方が気が楽になりません
しかも、後の広末の言葉「わたし、何も言わなかったよね」を聞いた時、
「なんだやっぱり根に持ってたんじゃん!」と思いましたσ(^_^;)。
「汚らわしい」にもかなりビックリしました。


話は変わりますが、社長の部屋の設定は見事だと思いました。
日々、死人を相手にしている彼の部屋が植物だらけ、というのもよく分かる気がしました。
あの部屋で、美味しい物を食べて、“生”を感じて自分を取り戻すんでしょうね。
大悟にとっては、チェロを弾いたり、家族を愛することが“生”を取り戻す手段になっていましたが。
だから家族に去られてへこんだ大悟が、あの部屋で“生”パワーを分けてもらうことで、
踏みとどまる勇気が湧いたんだと思います。


キャストについては…
もっくんと広末は、実年齢は15も違うのに、年の差を感じさせないカップルでした。
もっくんが若いからでしょうね。

そして二人ともオシャレ
銭湯から出てきて雪を見上げるシーン、
母の残したスナックで一杯やるシーン、
二人で父のレコードを聴くシーン…
それぞれが、独立したCMになりそう。
お茶のCMで、ナイス夫のイメージが強いもっくんがいるからかしら

もっくんが外でチェロを弾くシーンも、様になってます。
なんだか「セロ弾きのゴーシュ」を連想しちゃいました。
宮沢賢治の文体が醸し出す柔らかい空気感を思い出させるのかな…。
同じ東北だし。

広末もよかったですけど、ちょっと‘広末’キャラが強過ぎた気がします…
アイドル広末はそんなに好きじゃなかったんで。
宮沢りえちゃんとか檀れいさんにも演じてほしい役です。

あと、チャキチャキおばちゃんのイメージが強い余貴美子が色っぽかった
彼女は前からあんなにグラマーでしたっけ
人気のない業種に、中年の、あんないい女がいるなんて…こりゃ何かあるなと思いますよね。
初めは社長の愛人かと思っちゃいました

グルメの社長、山崎努には言うことなし。
ただ拍手

それにしても、フグの白子の焙り焼きなんて、なんて贅沢
下関のすぐ側で育ち、小さな頃から年に1度はふぐのフルコースを食べてた私でも、
1、2回しか口にしたことありませんよ~
そりゃ~、気分も変わりますわ(笑)

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この記事へのコメント

2008年09月25日 22:51
ハローワーク通いを数か月経験した俺は何度か葬儀屋の求人票も目にしました。でも給料が良くてもなかなか人が集まらないんですよね。フリーター歴10年の知り合いに教えてあげても「絶対やだっ!」って・・・
10年働けば家も建てれる職業なのにな~
2008年09月26日 23:20
こんにちは♪
そうですか、今年二件のお弔いをなさったんですね。
最後に交わす言葉はやはり感謝のこもったものでありたいな~と思うのです。
銭湯の息子さんは「ごめんな」ばかり言ってましたけど・・・。

チェロの音色って本当にステキ。
楽器を抱くモックンもステキ。
そしてその指先の器用さが納棺師というお仕事にも役立っていて、チェロ奏者⇔納棺師がうま~くシンクロしていましたね~
2008年09月27日 17:30
kossyさん TBとコメントありがとうございました!
葬儀屋さんも、そんなに給料いいんですか~!
何するにしてもかなりガッポリ要求されますもんね(^^;)
遺族同士が仲悪かったりしたら、間に挟まれて大変かもしれませんけど。
私は笹野さんがやってた火葬場の仕事の方を、魅力的に感じました。
でもうちの父も職探しの際に、火葬場は避けてました。
2008年09月27日 17:34
ミチさん いつもTBとコメントをありがとうございます。
そうそう、あの銭湯のその後が気になりました!
笹野さんが継いだのかしら~。

ミチさんのブログで、チェロは女性の体の形に似てる、
って指摘されていたのにハッとしました。
妻を待ちながら、亡くなった方や遺族、色々な方の
思いを抱きしめていたのかな~と思います。
2008年09月30日 08:28
aiaiさま

はじめました ミチさまのところからまいりました
楽しくもポイントを掴んでいらしゃる記事ですね^^

ところで横入りで申し訳ありません。何方もその点に触れられていなかったのですが、私は銭湯は誰も継がなかったと思いました。
人には憧れや理想がありますが、現実もあるのでそれで良いのだと思います。
銭湯はなくなっても息子の心に母と銭湯の記憶がシッカリと刻み込まれたのだと思います。
色々な解釈はあると思いますが…。
又寄らせて下さいませ。では
2008年09月30日 12:38
Mariaさま

はじめまして~!コメントとTBをありがとうございました。

記事をほめていただいてありがとうございます!
メモ書きみたいに書いちゃうんで、とりとめなくて…
読んでくださる方には申し訳ないなぁと思ってるんですが(><)

銭湯についてのご意見嬉しいです!
気になっていたので。
そうですね~。現実的には笹野さんが継ぐのは難しいだろうし
(お年とか経験とか)、
やっぱりお母さんの思い出と共に銭湯も終わったんでしょうね…
もし継がせる設定にしたいのなら、もっと若くて体力がありそうな店員さんとかを登場させていただろうし。
あの息子の「ごめんな」は、喧嘩ばっかりだったこと、
思いをわかってあげられなかったことに対する言葉なんでしょうね。

2008年10月31日 12:44
aiaiさん、こんにちは^^
その後、風邪は大丈夫ですか?
白子はめっきり好きなんです。とあるお店に行くときは、
白子のあるなしを確認のうえで行くぐらいです(笑)
(ま、わが夫婦を見ていれば想像もつくと思うのですが)
この映画、今年2回観ました。
静かな映画なれど、その中身はオブラートに包みつつも
非常にタブーな部分に痛くないメスで切り込んでいたように
思います。
広末のセリフには演技不足をカバーするように、ハードなセリフを
わざと言わせていたような気がします。
最近、モックンのCMを観ながら、あの広末の役、
りえちゃんがやったらどうだったのかなぁ・・・なんて考えてます。
家族の縮図も見え、おくるひとの様々な想いをよく表現できていた
映画だと思いました。
2008年11月01日 12:16
cyazさん お気遣いありがとうございます~
私はかなりよくなったんですが、連れの方がひどいです 
治ったら2人で基礎体力アップのトレーニングしなきゃ 
でもその前に、ふぐを食べに行きたいで~す

>広末のセリフには演技不足をカバーするように、ハードなセリフを
わざと言わせていたような気がします。
ああ、なるほど! それなら仕方ないかなぁ。

妻役がりえちゃんだったらこの夫婦の「あり方」について
こんなに違和感を感じなかったかも、と思います(笑)

おくる時の想いや雰囲気って、日本独特のものがあるのでしょうか。
だとしたら海外に日本を紹介する時にもいい映画ですねおくるシーンでチェロの音色を流したことで、西洋人も共感しやすくなったのではないかと思います。
もし大悟が和楽器奏者だったら、「エキゾチック・ジャパ~ン!ワンダフル~!」とかって思われて、逆に伝わりにくかったかも(笑)。

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