父親たちの星条旗

画像かなり戦闘シーンがキツイと聞いていたので、観に行くかどうか迷いました。確かに残酷な場面も多かったのですが、後味は悪くありませんでした。

父親たちの星条旗
監督:クリント・イーストウッド。出演:ライアン・フィリップ、ジェシー・ブラッドフォード、アダム・ビーチ、バリー・ペッパーほか

物語:第2次世界大戦の重大な転機となった硫黄島の戦い。2部作のうちの1作目。
米軍兵士は勝利のシンボルとして摺鉢山に星条旗を掲げた。しかし、この写真がアメリカ国民の士気を高めるために利用され、旗を掲げた兵士のうち、生き残ったドグ、レイニー、アイラは本国に連れ戻される。

感想:参考にしているブログさんで、いずれも高い評価を受けているこの映画。
しかし、私は戦闘シーンにはまるきり興味がなく、、、というより観るのが怖いため、目をつむる覚悟で映画館に行きました。「ミュンヘン」や「ジャーヘッド」を観終わった時のような、強い違和感と不快感に悩まされるのではないかと不安だったのです。
いつもは前方の席に座るのに、敢えて後ろの席を選ぶくらい警戒しておりました(^^;)
が、意外にも嫌な感覚は全く残りませんでした。

なぜか?
やはり、K・イーストウッド監督の描き方のおかげでしょうね。
誰かを“貶める”ということをしていないからだと思います。品があるのです。
まず、主役3人を始めとする登場人物たちは、私達も共感しやすいごく普通の人間として出ててくるのがいい。戦闘を前に不安をおぼえ、戦友のために銃撃戦の中を駆けずり回り、“英雄”扱いに戸惑う。
この戦争のために志願したのであろう彼らは、完成された職業軍人ではなく、敵への殺意も抱いているようには見えません。殺人マシーンになっていないのです。
それにここの映画では3人が荒れたり、絶望したり、有頂天になったりしていても、彼らの人間性を貶めることがないのです。

映画のラストでも、「彼ら(=硫黄島で闘った米軍兵士)のそのままを記録すること」というメッセージが出てきますよね。
これって、この映画が伝えたいことの一つだったんだろうな。

それにしても、戦闘から帰ってきたばかりの兵士に対するアメリカ本国の人々のデリカシーのなさを表す描写は巧みでした。
中でも印象的だったのは、3人の歓迎会で出されたデザートです。
兵士をかたどった白いムースか何かに、真っ赤なストロベリーソースをかけるシーン!
それまでの戦闘シーンを観てきている観客には、あれだけで十分伝わりますよね。
私には、生首が飛んでくるより、グロかったです
残虐さを伝えるっていうことを、考えさせられました。


ところで冒頭、スクリーンいっぱいの海を埋め尽くす軍艦とそこに詰め込まれた兵士たちを観て、イチバンに感じたことは 「モッタイナイ!」でした。
大変な犠牲が出た戦いであることはもう知っているので、人的資源と莫大な税金を注ぎ込んだ設備が、壊されるために島に向かっていっているんだな、と思えて。
実際に上陸後、瞬く間に兵士の死体の山ができあがってしまったわけだし。
こんな姿にするために、わざわざ海を越えて人間を運んでくるなんて、
「モッタイナイ」以外になんだろう。。

あと、やはり日本側の視点が非常に気になりました。
多勢に無勢の中で、36日間も硫黄島を死守した彼らはどんな精神状態だったんでしょう。
日本兵の姿が出るたびに、彼らの思いを少しでも拾えないものかと凝視してしまいました。

2部作だと知っているせいかもしれませんが、まだ完結してる感じがせず、
物足りなさが残ってます。
これは、「硫黄島からの手紙」も観にいかないとな~。

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この記事へのコメント

2006年11月05日 02:51
もったいないですよね・・・貴重な命。
死ぬことがわかっているのに巨額の金とつぎ込むこと。
戦争がばからしいってことがよくわかりました。
あんな小さな島なのに、何万という遺体が・・・ぞ~っ・・です。
2006年11月07日 20:48
こんにちは♪
こちらからのTBが入らないみたいですみません。
やはり二部作と銘打ってあるからには両方見てから評価するのが本当かもしれませんね。
ネガとポジのような関係になっているのかしら?
とても楽しみです。
2006年11月08日 00:39
kossyさん TBとコメントありがとうございました。本当に、勿体ないです。でも誰か得をしているのでしょうね。そういう人は自分では戦闘には加わらないわけですが。

ミチさん TBはスパムチェックに引っかかってました。ご心配おかけしてごめんなさい。最近、スパムTBの量が多くて、チェックを厳しくしていたのです(><)
この映画での姿が見えない日本兵は、本当に怖かったです。彼らが何を思い、どんな風に過ごしていたのか、ますます興味が湧きました。

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